日本列島域における先史人類史の総合的復元方法の研究

科学研究費補助金(学術変革領域研究(A))および(基盤研究(B))(領域・研究代表者:山田康弘)のブログです

日本考古学協会発表における研究発表

 5月27日から29日の三日間にわたって,第82回日本考古学協会総会が東京学芸大学にて開催されます。
 私たちの研究チームも「東海地方縄文時代晩期における抜歯習俗の再検討」というタイトルで,稲荷山貝塚土人骨の年代測定結果に基づく発表を行います。
 この研究では,従来の「抜歯仮説に基づく親族構造論」について,その前提条件が成立していなかったこと,4I系と2C系の埋葬小群が必ずしも同時存在せず,ペアとなって一つの世帯(の歴史の一部)を表すという考え方には無理があること,今後は人骨の年代測定例を増やしながら,従来の人骨出土例に基づく親族構造論は再検討していく必要があることを述べています。
 今後,人骨出土例に基づく縄文時代の墓制論は,人類学・理化学的手法とのコラボなしには成り立たなくなっていくことでしょう。

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