日本列島域における先史人類史の総合的復元方法の研究

科学研究費補助金(学術変革領域研究(A))および(基盤研究(B))(領域・研究代表者:山田康弘)のブログです

盤状集骨葬例の分析が進んでいます

 科研費の最終年度を迎えて,保美貝塚の整理作業の結果が次々とあがってきています。
 たとえば,現場における検討および実測図をもとにした再検討の結果,盤状集骨葬例は,今回保美貝塚にて私たちが検出した多数合葬例の中に,なんと10例ほどが組み込まれていたことがわかりました。また,それぞれの盤状集骨例について人骨の接合関係や四肢骨の個体識別といった見地から検討を加えていくと,個々の盤状集骨例の性格について,これはこれは,意外なことが判ってきました。
 その詳細については,現段階においてこのHPでお話する訳には参りませんが,従来の予想を覆すような結果がでてきた(私的には大変ありがたい感じですが)とだけ,書かせていただきます。もちろん,今回のような詳細な研究成果は日本初のもの(外国の事例でもここまで多角的な検討を行ったものは無いかもしれません)で,私自身も保美貝塚の本報告書の完成が楽しみです。
 今後,考古学協会や日本人類学会などの学会においてセッションの開催や研究発表を行っていきたいと考えています。
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