日本列島域における先史人類史の総合的復元方法の研究

科学研究費補助金(学術変革領域研究(A))および(基盤研究(B))(領域・研究代表者:山田康弘)のブログです

2012-01-01から1年間の記事一覧

発掘調査は無事終了しました。

お陰様で、保美貝塚の発掘調査は無事終了しました。 過去の調査地点との照合や、上屋構造の有無の確認など、今回の調査ではできなかった点もあり、もう1シーズン必要かと考えています。 写真は、今回の調査の最終局面を支えてくださった考古学者、人類学者の…

やはりならんでいます

写真は集骨墓内の脛骨の出土状況です。脛骨ばかり、6点ほどが、同じ向きにおいてあるのがわかりますでしょうか。やはり、特定の部位が集められているようです。 調査も明日が実質的な最終日です。あと一息、頑張りたいと思います。

現場復帰と出前講座

歴博の会議から帰ってきました。復帰してすぐに、保美貝塚からほど近い福江中学校へ出前講座に行ってきました。 講座では、保美貝塚での調査の意義や、遺跡そのものの文化的価値などについてお話しました。 福江中学校の生徒さんは、みな一生懸命に聴いてく…

これは・・・。

集骨墓の調査は、さらに進んでいます。 今日は、調査中に子供の上腕骨が見つかりました。大きさから見て、3歳くらいの幼児でしょうか。何故に幼い命を落としてしまったのでしょう。 しんみりとしていたちょうどその時、ご近所のおじいさんが3歳になるお孫…

ひょっとしたら

写真は前頭骨の中に上顎と距骨が入れられていたものです。この前頭骨の上には、別の頭蓋が、あたかも蓋をするように置かれていました。ひょっとしたら意図的にそのように置いたのかもしれません。 これを見て思い出したのが、広島県帝釈寄倉岩陰遺跡の事例で…

よく見ると

本日からまた灼熱の日々が始まりました。名古屋辺りで雨が降っても、渥美半島ではまったくと言ってよいほど降りません。 写真は、集骨の一部分ですが、左右の腸骨が対になって置かれているようです。このような個所は他にもあり、何らかの意図的なものであっ…

午後から調査はできました

朝から激しい雨でしたが、盤状集骨は取り上げることができました。 さあ、ラストスパートです。

カッコいい!けど雨が・・・。

韓国滞在中にはいろんなことがありましたが、無事に帰国しました。 しかし、帰国した途端の雨です。 現場を離れている間に調査は進み、写真のように盤状集骨が非常にキレイな形で現れました。配置だけではなく、骨を積み上げた順番までわかります。なかなか…

韓国出張

本日も灼けるように暑い日でした。 人骨は思ったより早めのペースで取り上げることができていますので、盤状集骨の見学はこの二三日中がリミットかと思います。 私は歴博業務の関係で韓国に出張しなくてはならないため、ちょっと(かなり)後ろめたいですが、…

たまには

お昼に近くにある玉川という、お魚の美味しいお店に行きました。 ここの売りは、なんと言っても新鮮な魚貝類でしょう。縄文屋さんなら、貝塚で一度は目にするアカニシの酢味噌和えや、ミル貝の刺身、大アサリのフライなど貝類の暴れ食いが堪能できます。 写…

現地説明会、たくさんの方々に来ていただきました。

本日も暑い日でしたが、現地説明会を開催しました。 地元の方を中心に多くの方々に来ていただきました。 120部用意した説明資料が、すべてはけてしまいました。ありがたいことです。 説明会では、実際の人骨出土例の横に、人骨模型を並べて説明を行いました…

明日は現地説明会です

明日は現地説明会です。 今回の調査は、発掘面積も小さく、出土遺物も少ないのですが、やはり人骨集積のすごさを見ていただきたく、設定をしました。 どうぞお越しください。

こんなんでました

相変わらず暑いのですが、慣れてきたせいか、過ごしやすくなってきました。 調査では、人骨に伴って様々な遺物が出土しています。 写真は、出土したての根挟みです。保美貝塚は以前より石鏃の多い遺跡として知られていましたが、まさにピッタリのものですね。

すごい風です

台風の影響で、遺跡近辺には猛烈な風が1日中吹きました。 日除けのタープが何度も空に舞い上がりそうになりました。 調査は粛々と進んでいます。 午後からは、歴博の西本先生がお見えになりました。装身具は出てない?と言われたのですが、先生がお帰りにな…

調査が軌道に乗りました

暑さが続きますが、発掘調査も軌道に乗ってきました。 前回の状態に復帰して、図面作成した後に取り上げを行っています。 早い段階で現地説明会をした方が良いと思われますので、8月4日の二時半に現地説明会を行う予定です。 写真は調査風景です。とにかく…

発掘はじめました

発掘調査はじめました。 とにかく暑いです。熱中症にならないように、気をつけたいと思います。 今回の調査は2×4メートルの小さい範囲ですが、時間をかけて記録をとっていきたいと思います。 写真は発掘前の保美B貝塚です。奥に見えるのが八幡の森です。

再度本共同研究の目的と参加メンバーです

関東に戻ってきてはや一年半がたちました。長いこと放置していたら,本来のHPの方がアクセスできないようになってしまったようです。ご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした。 そこで,本共同研究の目的およびご参加いただいている先生方を再度ここに…

そういえばこんな事も

この研究プロジェクトでは,小学校などへの出前授業も行っています。 なかなか学校行事等のスケジュール的にも難しいかもしれませんが,もし小学校・中学校等で埋蔵文化財・考古学人類学関係に関する出前授業・講演会等のご要望がありましたら,歴博山田まで…

考古学ジャーナル7月号の特集です

このたび,『考古学ジャーナル』7月号にて,保美貝塚調査チームのメンバーを中心として,「古人骨の考古科学」の特集を行いました。内容は次の通りです ・人類学の新しい方法と考古資料としての人骨・・・茂原信生 ・総論 古人骨の考古科学-人類学的情報の…

夏の発掘調査の日程が決まりました

この夏の保美貝塚発掘調査の日程が決まりました。 7月26日の木曜日から8月24日金曜日の1ヶ月間を予定しています。 今回は、写真にもあります人骨集積の完掘をします。 お近くにお越しの際には、お寄りいただければと思います。 遺跡保存の観点から、…

考古学協会でセッションを開催しました

5月26日(土),27日(日)に行われた日本考古学協会で,保美貝塚に関するセッションを行いました。内容は以下の通りです。 セッション4:「考古学と人類学のコラボレーションによる遺跡研究の試み-愛知県保美貝塚を事例として-」 山田康弘:趣旨説明 増…

発掘調査、無事終了しました

3月7日、無事に保美貝塚の発掘調査が終了しました。 雨に悩まされましたが、ご参加いただいた先生方、学生さんたちのご尽力により、無事に人骨を取り上げることができました。この成果の一部は、5月の考古学協会で発表したいと思います。 渥美半島では菜…

雨のなか、取り上げです

本日は昼近くになって、雨となりました。 雨中の取り上げとなりましたが、幸いにも人骨の残りは非常に良く、大腿骨や上腕骨など、完全な形で取り上げることができました。もちろん頭蓋もです。 これによって、私たちが知りたかった抜歯系列が確認できました。…

やはり水が・・・

発掘調査は悪戦苦闘しながらも、今のところ順調に進んでいます。 人骨は屈葬ではありますが、上半身を起こした座葬だったようです。調査の結果、肩甲骨と上肢を残して、上半身が前に倒れており、頭が腰の近くに落ちていることがわかりました。これは埋葬時点…

発掘調査はじめました

2月27日から保美貝塚の発掘調査をはじめました。今回の調査は、昨年掘り下げることのできなかった単独・単葬例の人骨を取り上げることを目的としています。 今回は東大、駒澤、南山の学生さんが参加してくれました。調査範囲が狭かったので、ほとんど声掛…

2~3月の発掘調査予定

保美貝塚の発掘調査を、この2月27日から3月7日に行いたいと考えています。 内容は、以前発掘調査をして確認した土坑墓の調査です。単独・単葬例の人骨が確認されていますので、今回はこれの発掘調査・取り上げがメインです。 調査予定面積は4㎡ほどと非常に…

はじめはこんな感じでした

今回のプロジェクトの詳細につきましては、山田自家製HP『考古学と人類学のコラボレーションによる縄文社会の総合的研究』http://www.mable.ne.jp/~ultrahawk001/をご覧頂ければと思います。ただし、山田の事情により、こちらのHPの更新はしておりません。島…

保美貝塚調査チーム 代表ブログ はじめました

科研費基盤研究(B)「考古学と人類学のコラボレーションによる縄文社会の総合的研究」のブログをはじめました! 発掘調査の状況や、研究成果などについてお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。 写真は昨年9月の段階までに確認できた愛…