この度、私共提案の共同研究「日本列島域における先史人類史の総合的復元方法」(領域代表:山田康弘)が、学術変革領域研究(A)に採択されました。 今回の大型科研費では各計画研究の研究分担者を含め総勢48名の研究者が、Integrative bioarchaeology(統…
昨年10月30日に開催されました、科学研究費補助金基盤研究(S)「社会性の起原と進化ー人類学と霊長類学の協働に基づく人類進化理論の新開拓ー」における公開シンポジウム「ライフヒストリー:サルとヒトの誕生・成長・死」の報告書が完成したとのご連絡をい…
本日は、宮城県東松島市にある奥松島縄文村歴史資料館にうかがいました。 ここは有名な里浜貝塚のあるところです。里浜貝塚寺下囲地点からは、1918年に松本彦七郎博士が発掘調査を行い、16体の埋葬人骨が地点的にまとまって出土しています。この人骨群をめぐ…
本科研費の分担研究者である太田博樹先生の著書『古代ゲノムから見たサピエンス史』が、吉川弘文館より刊行されました。古代DNAの分析方法から、その適用範囲、何が判るかといった点について、ご自身の体験談を交えなから解説してくださっています。私たちが…
本日は、蜆塚貝塚出土の4・5号合葬人骨を実見しに、浜松市博物館へ参りました。 この事例は、5号男性人骨(Sh4)が4号女性人骨(Sh3)を腕枕しているかのような埋葬形態をとっているので、夫婦の合葬例などと考えられたものです。 報告書はすでに読み込ん…
静岡県浜松市に所在する蜆塚貝塚からは、多数の人骨が出土しています。 これらの人骨は、群集して一つの墓域を形成しているのですが、興味深いのは男性と女性で頭の向きをほぼ逆に変えていることです。このことから、縄文時代の性的区分の例としてしばしば取…
10月30日に公開シンポジウム「ライフヒストリー:サルとヒトの誕生・成長・死」が開催されます。私も登壇いたします。内容は以下の通りです。 科研費プロジェクト「社会性の起原と進化:人類学と霊長類学の協働に基づく人類進化理論の新開拓」では、霊長類学…
先日の日本人類学会では,岩手県蝦島貝塚出土人骨の埋葬属性とmtDNAの分析結果について発表しましたが、愛知県伊川津貝塚出土人骨の分析も進んでいます。 伊川津貝塚2010年度調査区からは、縄文時代の人骨が6体出土しています。これらの人骨は、位置的近接関…
9月16日から19日までの日程で、京都産業会館ホールにて、第76回日本人類学会大会が開催されました。 一般シンポジウム『ヤポネシアゲノムの5年間』の中で「岩手県蝦島貝塚出土の縄文人骨を対象とした考古学と人類学のコラボレーション」というタイトルで発表…
山田が今年の2月に名古屋市にて行った講演「人骨から読み解く縄文時代」が、YouTubeにアップロードされています。 考古学と人類学のコラボレーションのあり方の一つをお話しています。 www.youtube.com
拙著『老人と子供の考古学』(吉川弘文館刊)ですが、悲しいかな、売れ行き不振で絶版となっておりました。 しかしながらこの度、オンデマンド版として復刊することになりました。オンデマンド版は、基本的に内容はそのままですが、凡例や校正ミスなどを修正…
DNA分析の技術は、日進月歩です。以前の研究では、保美貝塚の人骨の歯からはDNAを抽出することはできませんでしたが、現在では耳の後ろの部位からサンプリングすると、かなりの確率で抽出できることがわかっています。 今回、東大の太田先生と指導されている…
『縄文時代』33号に「岡山県津雲貝塚から出土したサメ被害による死亡者の埋葬形態について」が掲載されました。 これは前年アリッサ・ホワイトさんらが発表された論文 White, A. Burgess, G. Nakatsukasa, M. Hudson, M. Pouncett, J. Soichiro Kusaka, S. Y…
Anthropological Science山田科研特集号の のオンライン正式版が、本日公表されました。こちらでどうぞ https://www.jstage.jst.go.jp/browse/ase/-char/en
Anthrpological Science(人類学雑誌)の130−1に、昨年度までの科研費基盤研究(A)「考古学・人類学・文化財科学の学際的研究による縄文社会論の再構築」の特集号として合わせて5本の論考が掲載されることとなりました。 これについてはすでにAnthropologic…
2冊目が『54のQ&Aで読みとく縄文時代』です。3/17発売予定ですが、メインタイトルが『縄文人も恋をする!?』になってますね。 これは私の本の読者の方、あるいは講演会などに来ていただいた方からの質問を54に整理して、書籍化したものです。 少々お話しにく…
この度、本科研の内容も反映させた、一般向けの書籍二冊が刊行されました。 一冊目が『地図でスッと頭に入る縄文時代』です。 山田監修本ですが、文章・図ともにかなり介入しました。できるだけ考古学的な証拠を踏まえつつ大胆に画像化を試みています。
ありがたいことに、来年度から3年間にわたり科研費「考古学と人類学のコラボレーションによる縄文社会復元の実践的研究」(基盤研究(B)(一般))が採択されました。今回の科研ではより対象をピンポイントに絞り込んで、研究成果を出していきたいと考えてい…
本科研における研究成果が、日本人類学会の機関誌であるAnthropological Scienceにおいて特集されることになりました。ありがたいことです。 内容につきましては刊行後にご紹介したいと思います。
10月10日は日本人類学会第75回大会でした。 私たちのチームは骨考古学分科会との共催で一般シンポジウム「骨考古学による縄文社会論の構築ー伊川津・保美貝塚出土例を中心にー」を行いました。 演題は以下の通りです。 S1 山田康弘:趣旨説明・愛知県伊川津…
本科研の研究会・打ち合わせを9月11日・18日の両日に行いました。参加者は、研究分担者・研究協力者の方々で、次世代を担う大学院生の方も3名ほどいらっしゃいました。 メインの内容は、現在の進捗状況の報告と共に、10月9〜10日に開催される第75回日本人類…
本科研も4年目、最終年度に入りました。そろそろ収束を考えないといけませんので、これまでの研究成果をまとめてみました。全てを網羅したわけではありませんが、考古学と人類学のコラボレーションによるBio-Archaeologyの研究手法・枠組みは、本研究でほぼ…
本科研費による研究活動の一環として、第75回日本人類学会におきまして、一般シンポジウム「骨考古学による縄文社会論の構築-伊川津・保美貝塚出土例を中心に-」を開催できることになりました。日時、発表者、タイトルは以下の通りです。 シンポジウム:骨…
少し前の話になりますが、5月23日に専修大学生田キャンパスにて行われた日本考古学協会第87回総会にて、山田と分担者の先生方とで、遺跡人骨における年代測定の重要性について発表を行いました。 山田康弘・日下宗一郎・米田 穣・坂上和弘・水嶋崇一郎 「縄…
千葉県古作貝塚からは合計で20体以上の縄文人骨が出土しています。これらの人骨群の年代については千葉県西広貝塚の事例とともに、第73回日本人類学会にて発表を行っています(山田康弘・米田穣・平田和明・水嶋崇一郎2019「西広貝塚・古作貝塚出土人骨の年…
コロナ禍によって、科研の研究自体もかなり停滞してしまいました。 それでもメンバーの皆さんのご活躍もあり、研究業績は積み上がっています。本科研に基づく2020年度の業績で、山田がなんらかの形で関与したものを挙げておきます。 論文 ・Takashi Gakuhari…
保美貝塚から検出された盤状集骨葬例の整理と分析が進んでいます。 図面の整理もほぼ終了し、保美の盤状集骨葬例は少なくとも7基の盤状集骨が組み合わさってできたものだということもわかってきました。 また、それぞれの盤状集骨の人類学的属性や年代などに…
私たちの科研で検討を始めた愛知県田原市伊川津貝塚出土人骨の全ゲノム解析結果が発表されました。詳しくは、以下のリンクをご覧ください。 www.nature.com また、その意義等につきましてはプレスリリースをご覧ください。 www.s.u-tokyo.ac.jp 今回発表され…
研究代表者の山田は,この4月から東京都立大学へと移りました。 ですが,年度はじめからののコロナ禍によって,現在も教育および研究をなかなか進めることはできていません。 そのような中,研究分担者の太田先生から昨年度サンプリングした愛知県伊川津貝塚…
科研2年目も大詰めです。 今年度も重要な遺跡の人骨資料の年代測定結果が上がってきています。 たとえば,岡山県津雲貝塚・彦崎貝塚・涼松貝塚出土人骨や岩手県蝦島貝塚出土人骨,愛知県保美貝塚A地点出土人骨,千葉県西広貝塚・古作貝塚出土人骨などです…