日本列島域における先史人類史の総合的復元方法の研究

科学研究費補助金(学術変革領域研究(A))および(基盤研究(B))(領域・研究代表者:山田康弘)のブログです

2022-01-01から1年間の記事一覧

蜆塚貝塚から出土した男女合葬人骨を確認に行きました

本日は、蜆塚貝塚出土の4・5号合葬人骨を実見しに、浜松市博物館へ参りました。 この事例は、5号男性人骨(Sh4)が4号女性人骨(Sh3)を腕枕しているかのような埋葬形態をとっているので、夫婦の合葬例などと考えられたものです。 報告書はすでに読み込ん…

蜆塚貝塚出土人骨の分析を始めました

静岡県浜松市に所在する蜆塚貝塚からは、多数の人骨が出土しています。 これらの人骨は、群集して一つの墓域を形成しているのですが、興味深いのは男性と女性で頭の向きをほぼ逆に変えていることです。このことから、縄文時代の性的区分の例としてしばしば取…

公開シンポジウム「ライフヒストリー:サルとヒトの誕生・成長・死」が開催されます

10月30日に公開シンポジウム「ライフヒストリー:サルとヒトの誕生・成長・死」が開催されます。私も登壇いたします。内容は以下の通りです。 科研費プロジェクト「社会性の起原と進化:人類学と霊長類学の協働に基づく人類進化理論の新開拓」では、霊長類学…

出土人骨のbioarchaeologicalな分析が着々と進んでいます。

先日の日本人類学会では,岩手県蝦島貝塚出土人骨の埋葬属性とmtDNAの分析結果について発表しましたが、愛知県伊川津貝塚出土人骨の分析も進んでいます。 伊川津貝塚2010年度調査区からは、縄文時代の人骨が6体出土しています。これらの人骨は、位置的近接関…

第76回日本人類学会で発表を行いました。

9月16日から19日までの日程で、京都産業会館ホールにて、第76回日本人類学会大会が開催されました。 一般シンポジウム『ヤポネシアゲノムの5年間』の中で「岩手県蝦島貝塚出土の縄文人骨を対象とした考古学と人類学のコラボレーション」というタイトルで発表…

講演「人骨から読み解く縄文時代」の公開

山田が今年の2月に名古屋市にて行った講演「人骨から読み解く縄文時代」が、YouTubeにアップロードされています。 考古学と人類学のコラボレーションのあり方の一つをお話しています。 www.youtube.com

『老人と子供の考古学』がオンデマンド版で再販されることになりました。

拙著『老人と子供の考古学』(吉川弘文館刊)ですが、悲しいかな、売れ行き不振で絶版となっておりました。 しかしながらこの度、オンデマンド版として復刊することになりました。オンデマンド版は、基本的に内容はそのままですが、凡例や校正ミスなどを修正…

保美貝塚出土人骨のDNAの再検討

DNA分析の技術は、日進月歩です。以前の研究では、保美貝塚の人骨の歯からはDNAを抽出することはできませんでしたが、現在では耳の後ろの部位からサンプリングすると、かなりの確率で抽出できることがわかっています。 今回、東大の太田先生と指導されている…

サメに襲われて死亡した岡山県津雲貝塚出土人骨の埋葬形態

『縄文時代』33号に「岡山県津雲貝塚から出土したサメ被害による死亡者の埋葬形態について」が掲載されました。 これは前年アリッサ・ホワイトさんらが発表された論文 White, A. Burgess, G. Nakatsukasa, M. Hudson, M. Pouncett, J. Soichiro Kusaka, S. Y…

Anthropological Science 130-1 山田科研特集号が正式にリリースされました

Anthropological Science山田科研特集号の のオンライン正式版が、本日公表されました。こちらでどうぞ https://www.jstage.jst.go.jp/browse/ase/-char/en

Anthropological Science advance online publicationに本科研の特集が掲載されました。

Anthrpological Science(人類学雑誌)の130−1に、昨年度までの科研費基盤研究(A)「考古学・人類学・文化財科学の学際的研究による縄文社会論の再構築」の特集号として合わせて5本の論考が掲載されることとなりました。 これについてはすでにAnthropologic…

一般向けの書籍 その2

2冊目が『54のQ&Aで読みとく縄文時代』です。3/17発売予定ですが、メインタイトルが『縄文人も恋をする!?』になってますね。 これは私の本の読者の方、あるいは講演会などに来ていただいた方からの質問を54に整理して、書籍化したものです。 少々お話しにく…

一般向けの書籍 その1

この度、本科研の内容も反映させた、一般向けの書籍二冊が刊行されました。 一冊目が『地図でスッと頭に入る縄文時代』です。 山田監修本ですが、文章・図ともにかなり介入しました。できるだけ考古学的な証拠を踏まえつつ大胆に画像化を試みています。

科研費が採択されました

ありがたいことに、来年度から3年間にわたり科研費「考古学と人類学のコラボレーションによる縄文社会復元の実践的研究」(基盤研究(B)(一般))が採択されました。今回の科研ではより対象をピンポイントに絞り込んで、研究成果を出していきたいと考えてい…

Anthropological Science(英語版)特集号

本科研における研究成果が、日本人類学会の機関誌であるAnthropological Scienceにおいて特集されることになりました。ありがたいことです。 内容につきましては刊行後にご紹介したいと思います。